【家づくりの前にシリーズ⑥】住宅の値引きに惑わされないでください。後悔しない契約のタイミングとは
今回は、住宅会社から提示される「値引き」や「期間限定の特典」についてお話ししたいと思います。
家づくりを進めていくと、いよいよ見積書が提示され、契約を意識する段階になります。
そのタイミングで、
「今月中にご契約いただければ○○万円お値引きします。」
「今だけ特別仕様をサービスします。」
このようなご提案を受けることがあるかもしれません。
もちろん、すべての値引きやキャンペーンが悪いわけではありません。
しかし、その言葉だけで契約を急ぐことは、できるだけ避けていただきたいと考えております。
大幅な値引きには理由があります
注文住宅は、一棟一棟仕様が異なる完全受注生産です。
そのため、材料費や職人の手間、設備機器などを積み上げて見積書を作成しています。
もし最初から適正な価格で見積もりを作成しているのであれば、大きく値引きできる余地は、それほど多くありません。
会社を継続して経営していくためには、適正な利益も必要だからです。
だからこそ、数百万円単位の大幅な値引きを耳にすると、「なぜそこまで値引きできるのだろう」と、一度考えていただきたいと思います。
値引きの背景を知ることも大切です
大きな値引きが行われる背景には、いくつかの可能性があります。
例えば、
- モデルケースとして会社が特別に宣伝したい住宅である
- あらかじめ値引き分を見込んだ価格設定になっている
- 会社全体の販売戦略として実施している
こうした理由であれば、一つの経営判断として理解できます。
しかし、もう一つ気を付けていただきたい可能性があります。
それは、工事を請け負う協力業者や職人へ、無理な価格で工事を依頼してしまうケースです。
住宅は、多くの職人や専門業者が力を合わせて完成するものです。
もし過度な値引きによって現場へしわ寄せがいけば、品質や施工体制に影響が出る可能性も否定できません。
私は、そのような家づくりは決して望ましいものではないと考えております。
住宅は「完成品」ではありません
自動車や家電製品であれば、完成した商品を購入するため、大きな値引きがあればお得になる場合もあります。
しかし住宅は違います。
住宅は、設計者、現場監督、大工、設備業者、電気業者、左官職人など、多くの人が時間をかけ、一棟一棟つくり上げていくものです。
そこには、人の技術だけではなく、責任感や想いも込められています。
だからこそ、「大幅な値引き」という言葉だけで判断するのではなく、その家づくり全体を見ていただきたいと思います。
契約を急かされたときこそ、一度立ち止まってください
住宅営業では、
「今月中だけです。」
「今契約すればこの条件になります。」
というご提案を受けることがあります。
もし、間取りや仕様、資金計画まで十分納得できているのであれば、そのような条件はお客様にとって良いきっかけになるかもしれません。
しかし、まだ迷いがある段階であれば、無理に契約を急ぐ必要はありません。
住宅会社には、それぞれ営業計画や決算時期があります。
そのため、「今月だけ」という条件は、お客様のためだけではなく、会社や担当者の営業目標が背景にある場合もあります。
焦って契約するよりも、ご自身が納得できるタイミングで判断することの方が、長い目で見れば後悔の少ない選択になると考えております。
家づくりで一番大切なのは「納得して決めること」
家づくりは、価格だけで判断するものではありません。
どのような住まいをつくるのか。
どのような会社と、一緒に家づくりを進めるのか。
そして、その内容にご家族全員が納得できているか。
これらが何よりも重要です。
値引きや期間限定の言葉に心が動くことは、決して悪いことではありません。
しかし、その前に一度立ち止まり、「本当に今決めても後悔しないか」を考えていただきたいと思います。
家づくりは、契約することがゴールではありません。
ご家族が何十年も安心して暮らせる住まいを実現することこそ、本当の目的だと私は考えております。