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断熱材の性能の違い②(石油系)

2016年06月05日

久しぶりの書き込みです。別にさぼっていたわけではなく、書きたい、書かなければ等と思いながら、忙しさにかまけておりました。

前回は繊維系の断熱材についていろいろと書きましたが、今回は石油系(ボード系)の断熱材について書き込みたいと思います。

かっこでボード系と書いていますが、石油系の断熱材は繊維系の布団状のものとは違い、成形された板状のものとなるのが殆どですので、ボード系と呼んだりします。

石油系の断熱材には、材質によって押出法ポリスチレン系(XPS)・ビーズ法ポリスチレン系(EPS)・ウレタン系・フェノール系と分けられます。材質によってそれぞれの特徴がありますが、今回はあまりにも長くなってしまうので、石油系という括りで、書き込みます。

石油系を採用するメリットですが、
①ボード状になっているため、外断熱や付加断熱などの施工がしやすい。
②繊維系と比べると熱伝導率が良い傾向にあるため、同じ性能を出すのであれば薄くて済む
③特にポリスチレン系は水に強いというかほぼ吸水性がない(つまり土中や濡れた環境でも性能を発揮できる)

デメリットは、
①炎の中では、爆発的に燃える。つまり火元がある限り非常に燃えやすい。しかし、燃えていても火元が無くなると、自己消化性という性質のため、瞬時に消火する。
②繊維系と違い硬いので、軸間充填には向かない。
③解体後、再利用ができない
④コストが高い(但し、施工部位によっては断熱材コストが高くても施工コストで吸収できる場合もある)

こんな感じです。前回の繊維系のメリットデメリットをあわせてご覧頂くとわかりますが、ほぼ反対の性質があるんですね。

断熱材メーカーによって、若干の差異はありますが、性能差(熱伝導率λ値)は、以下の通りです。

押出法ポリスチレン(XPS) 0.028
ビーズ法ポリスチレン(EPS) 0.034
ウレタン系 0.021~0.023
フェノール系 0.019~0.020 

つまりフェノール系の断熱材が一番単位厚みあたりの性能が高いという事ができます。
因みにフェノール系で50mm厚の断熱材を使用するとした場合、同じ性能(同じ熱抵抗値)を出すためには、XPSで73mm、EPSで89mm、ウレタン系で58mm必要となります。

じゃあ、一概にフェノール系を使用すればすべて良しとはならないんですね。
コストもそれなりに高くなってしまいますし、必要とする断熱性能や施工する際の下地材の厚みとの関係等によって、使用する種類が変わってくるのです。

石油系・繊維系だけの分類に限らず、その系統の中でもそれぞれ様々な特徴があります。完璧なものなんてないんですよね。

使用する断熱材の種類で断熱性能は決まりません。家全体では外皮平均熱貫流率(UA値)や熱損失係数(Q値)で家全体の断熱性能が決まりますし、部位ごとでは(基礎・壁・天井・屋根等)熱抵抗値(R値)が重要になってきます。

熱伝導率(λ値)が良くても、断熱材の厚みが薄ければ、熱抵抗値(R値)が下がり、意味のないものになってしまいます。

あと、最後に言いたいのは、どんなに性能の良い断熱材を厚く使用しても、施工する大工さんがきちんと丁寧に施工しなければ、無用の長物となってしまうということです。

如何に企業の考え方や理論、担当者が素晴らしくても、実際に手を施す大工さんがきちんとしていないと、きちんとした性能が出ないということなんですね。大工さんはすごいし、家のかなめなんです。

「大工さんはすごいし、家のかなめなんだ」ということで、次回は「家を創る大工さん」について書いていきたいと思います。

断熱材の性能の違い①(繊維系)

2016年05月22日

断熱材っていろんな種類があるんですよね。
大きく分けて、繊維系と石油系(ボード系)があります。
繊維系には、グラスウール(以下GW)やロックウール(以下RW)が主に市場に出回っています。他には木質繊維や羊毛ウールというものもありますが、あまりメジャーではありません。

今回は繊維系についてコメントしたいと思います。

繊維系のGWやRWを採用するにあたってのメリットは、
①火に強い(火災によって性能が劣化しないということではありません)
②軸間に充填する場合、施工しやすい。
③解体した際、再利用ができる。
④コストが低い(施工部位によっては断熱材コストが低くても、施工コストがかかる場合もあります)
⑤経年変化による性能劣化が少ない

逆にデメリットは、
①柔らかい素材なので、変形させて施工する事ができるが、その場合性能が充分に発揮されない為、施工職人の技能や意識によって、実際の性能に極めて大きな差が出てしまう。
②ボード系の断熱材と比較すると、熱伝導率が悪いため、ボード系と同じ性能を求めるには、厚みを多く必要とする
③水に弱いため、施工中に濡れてしまうと、性能が著しく劣化する。

メリットデメリットはこんなところでしょうか。

一番メジャーなのはGWですが、同じ厚みであってもすべて同じ性能とは限りません。
グラスウールにもいろんなタイプがあり、普通の性能、高性能なタイプと様々です。
その違いは何で見分けるのか。。。「熱伝導率(以下 λ値 ラムダと読みます)」で見分けるのです。
ごく一般的に使用されているタイプですと、λ値は0.038。弊社で使用している高性能タイプですとλ値0.035となります。λ値は単位厚みあたりの性能ですから、同じ厚みであれば、小さい方が性能が良いという事になります。しかし、厚みが変わると比較できなくなりますよね。そこで断熱材の全体の性能を表現するために、「熱抵抗値(以下 R値)」という指標があります。R値は厚さ(d)をλ値で割ったものとなります。R値は数字が大きいほど性能が良いという事になります。
例を以下に挙げます。

・λ値0.038のGW
 90mmのR値は、0.09/0.038≒2.4
 140mmのR値は、0.14/0.038≒3.7
・λ値0.035のGW
 90mmのR値は、0.09/0.035≒2.6
 140mmのR値は、0.14/0.035=4.0

となります。同じ140mmを採用しても、λ値0.038と0.035では約10%の性能差が出てしまうのです。

先にも述べましたが、キクザワで使用しているのは、受注生産品であるλ値0.035の方です(当然、高価ですが。。。)
キクザワの標準仕様である壁230mm断熱は、90mm+140mmですので、R値2.6+4.0=6.6という性能となります。280mm断熱の場合は140mmが2層となるので、R値4.0+4.0=8.0です。

同じ断熱厚さでも、λ値0.038を使用すると、R値2.4+3.7=6.1となり、280mm断熱の場合は、R値3.7+3.7=7.4です。

性能差は一目瞭然ですよね。
これから住宅を検討される方、ただいま検討中の方は、必ず住宅会社の担当の方に、使用する断熱材のR値を確認して下さいね。

ちょっとめんどくさい話でしたが、重要なことです。

次回は、ボード状断熱材について書きたいと思います。

グラスウールの性能差

新住協 札幌支部例会に参加しました

2016年05月19日

5/17(火)新住協札幌支部の勉強会に参加してきました。
今回のテーマは、
①断熱材メーカーの旭ファイバーグラスさんから、「グラスウールの新商品説明会」
②PVソーラーハウス協会さんから「ZEHに向けての話題提供」
③会員のフリートーキングによる「壁付加断熱の手法」

①に関しての感想は、どんどんグラスウールの性能が良くなってきてる。熱伝導率が0.032という驚異的な数値。市場で一般的に使用されているグラスウールは0.038ですから。。。キクザワで使用している受注生産のグラスウールでさえ、0.035。まだ105mmしか生産されていないので使えませんが、(キクザワはツーバイが多いので140mm必要なのです)いずれは生産すると言っていました。早く作って欲しいですね~ そうすればより断熱性能の高い家ができます。

②に関しては、いま飛ぶ鳥を落とす勢いの「ZEH」。そして、あちこちで様々な議論がなされています。もちろん、キクザワも取り組みます。

③に関しては、付加断熱の手法。各社それぞれで、いろんな施工方法を工夫しています。キクザワの手法も話しましたが、それぞれ一長一短ですね。これには正解が無いように思えます。

久々に新住協のイベントに参加しましたが、さすがに新住協はすごいデスね。いろんな情報を得たり、議論をかわすのが楽しかったです。
これからも、どんどん参加して、最新情報や技術を学んで実行していきたいと考えています。

断熱材の入れ方

2016年05月16日

断熱材っていっぱいありますよね。グラスウールやロックウール等の繊維系のもの。ネオマフォームやカネライトフォームなどの石油系板状のもの。
どれも一長一短があり、何が一番良いのかは、個人の感性や考え方によるものと考えています。なによりも優れているものなんて無いと考えます。安くて、熱伝導率が低くて、経年変化が少なくて、火や水にも強くて、デリバリーも良くてなんてものは存在しないです。すべての断熱材は、どこかしらネガな部分があるし、ポジな部分もあります。

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ところで、断熱材の本当の性能を満たす入れ方ってご存じでしょうか。ただ入れりゃあいいってもんじゃありません。
気密性能は、工事中や工事完了後に測定して、その結果がはっきりとわかりますが、断熱性能(Q値やUA値)に関しては、使用する断熱材の種類と厚さによって計算で求められるもの。
あくまでも計算上でのものですから、施工現場できちんと施工しても、いい加減な施工をしても、Q値やUA値は変わらないんです。

断熱材は、きちんと緻密に押しつぶすことなく、空隙を作らず入れること。これが大前提です。そうしなければ、どんなに高価で性能の良い断熱材を使用しても、効果は半減以下です。

例えば、グラスウール。グラスウールの成分は殆どがガラスでできています。真冬に窓ガラスを触ると、冷たいですよね~ つまりガラスはどちらかというと熱を伝えやすい性質なんです。
それが、何故断熱材として成立するのか。。。 熱は伝導と対流によって伝わります。グラスウールはガラスを布団のような繊維質にして、無数の小さな空気の部屋でできています。空気はガラスより熱伝導率が低いということ、小さな空気の部屋になると、空気自体が対流しづらくなるという事で、断熱材として成立するのです。

ですから、押しつぶして入れたりすると、空気の部屋が少なくなり、元々のガラスに近くなってしまい、断熱性能が激減してしまうんですね。布団を想像してみて下さい。新品のふわっふわっの布団と使い古したぺたぺたの布団。どちらが熱を逃がさないか。推して知るべしですね。。

これから、住宅会社をどこにしようかってお考えの方、是非住宅会社に内緒で、工事中現場を覗いてみて下さい。隙間無く、密実に入れている会社の住宅は、きちんとした性能が出るはずです。ずさんな入れ方をしていると性能はガタ落ちです。特にコンセント廻りなど押しつぶして入れている場合は要注意ですね~
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是非是非、キクザワの工事現場を見かけたら、抜き打ちで「ちょっと見せて~」って感じでご覧頂けたら嬉しいです。

断熱気密改修工事は楽しいです

2016年05月12日

これから2件同時に大がかりなリノベーションが始まります(一件は壁式コンクリート住宅なので、断熱気密改修工事。もう一件は木造なので断熱気密耐震改修工事です)
キクザワでは、新築ばかりではなく、年に数件ですが、断熱気密改修工事を行っています。
平成2年から始めた、新築における高断熱高気密技術や付加断熱技術を糧として、築後20年以上経った物件を、現在の新築住宅に迫る性能へリノーべーションします。

リノベーションとリフォームを同じように捉えている方が多いと思いますが、リフォームは内装を綺麗にしたり、外壁を貼り替えたり、キッチンを入れ替えたりという見栄え重視の改装工事です。対して、リノベーションは、断熱・気密・換気・耐震などの住宅本来の基本性能向上工事です。
内容にもよりますが、一般的にはリノベーションの方が資金が多く必要です。でも、末永く住まうためには、住宅の基本性能を向上させる事は、いつ起こるかわからない地震に対しての安心にも繋がるし、気密性能を向上して換気計画をしっかりさせることによって、健康住宅になり、断熱性能を高めてエコにもなります。

場合によってですが、生涯コストはリノベーションをしてしまった方が、少なくなる場合もあるんです。
現在、リフォームをお考えの方、リノベーションも一考の価値ありですよ。
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