
高気密
現代の住宅において「高気密」は、快適さと省エネを実現するうえで欠かせない性能です。気密性が低いと、せっかくの冷暖房エネルギーが無駄に外へ逃げてしまい、室内の温度を一定に保つことが難しくなります。
多くの住宅会社が「高気密」を謳っていますが、実はその多くが“施工の質”まで伴っているとは限りません。というのも、日本では「高気密住宅」であることを証明するための【気密測定】が義務化されていないため、お客様自身がその性能を判断するのは非常に難しいのが現状です。
本当に気密性の高い住宅であるかどうかは、気密試験を実施し、数値で証明することではじめて確かめることができます。
キクザワでは、お客様に安心して住まいを任せていただくために、すべての新築住宅で竣工時に気密試験を実施しています。
その結果として、気密性能の指標である「C値(隙間相当面積)」は、全棟0.5㎠/㎡以下を保証。
これは、高性能住宅の中でもトップレベルの数値です。
数字で証明する本物の高気密住宅。
快適さと省エネ性能を両立させた、キクザワの家づくりにご期待ください。
(北方型住宅基準における隙間相当面積【C値】最低基準は2.0[㎠/㎡]以下。
キクザワの住宅は、キクザワの 2022年平均値は0.22[cm2/m2]2023年平均値は0.23[cm2/m2]です。)

因みに写真の物件のC値は、0.25[㎠/㎡]です。
右/気密施工状況:0.2㎜厚の気密シートを貼り巡らせ、ジョイント部分や換気口部分はテーピング処理を施しています。
高断熱
キクザワは、北海道の気候に最適化された地域トップクラスの断熱性能を実現しています。
採用している断熱仕様は、
・基礎外側:ビーズ法ポリスチレンフォーム120mm
・土間下:同60mm
・壁:高性能グラスウール230mm〜280mm以上
・天井:蓄熱性に優れたロックウールブローイング500mm(25k/㎥)
と、まさに贅沢な断熱構成です。
一般的な高性能グラスウールの熱伝導率は0.038[W/㎡・K]ですが、キクザワが採用するのは受注生産の超高断熱仕様(0.035[W/㎡・K])。
数字で見るとわずかな差のように思えますが、実際の快適性と燃費性能には大きな違いをもたらします。
断熱性能の指標となる【UA値(外皮平均熱貫流率)】では、国の基準値(0.46[W/㎡・K])に対して、キクザワの住宅は0.18〜0.30(2022年度平均0.21)という圧倒的な性能を記録。冬の暖かさはもちろん、夏の涼しさにも効果を発揮する断熱性能です。
ただし、「厚さ」や「熱伝導率の数字」だけでは、本当の性能は得られません。
大切なのは、職人による丁寧で正確な断熱材の施工です。
キクザワでは大工職人を社員として抱え、すべての現場で精度の高い断熱施工を実現。さらに、サーモカメラによる断熱精度の確認も行っています。
どのタイミングで現場をご覧いただいても、いつでも胸を張ってご案内できるよう、丁寧な現場づくりを心がけています。


ZEH
ZEH(ゼッチ)とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(Net Zero Energy House)」の略称です。
住まいで使用されるエネルギー(冷暖房・給湯・照明・換気)を高断熱・高効率な設備で極力減らし、さらに太陽光発電などの再生可能エネルギーによって創り出すことで、年間のエネルギー収支をゼロ以下にする住まいのことを指します。
断熱性を高め、設備の効率を追求することで、夏は涼しく、冬は暖かい快適な暮らしを実現。そして「創エネ」によって、光熱費の大幅な削減が可能になります。
さらに、非常時の電力確保や、個人でできる地球温暖化対策としても注目を集めています。
国としても、脱炭素社会の実現に向けてZEHを後押ししており、2025年度にはすべての新築住宅で「省エネ基準」への適合が義務化されました。さらに2030年度以降は「ZEH水準」の確保が目標とされています。
東京大学大学院の前真之准教授(建築学)も、ZEHに対する重要性を強調しています。
研修会では「電気代を間違いなく安くできる確立された技術は、次の3つだけ」と語られました。
1:熱と空気の無駄な出入りを防ぐ『断熱・気密』
2:少ない電気で熱や光をまかなう『高効率設備』
3:住宅で現実的に使える再エネ『太陽光発電』
この3つの要素すべてを取り入れるZEHは、これからの時代のスタンダードとなっていく住まいです。
くわしくはZEH(ゼッチ)専用ページに記述しております。専用ページをご確認ください。

計画換気
キクザワでは、基本仕様として経済的かつ健康的な「第3種排気型換気システム」を採用しています。
一人あたり約30㎥/h、かつ住宅全体で0.5回/hの換気回数になるよう、室内の空気の流れやシステムの圧損抵抗を考慮した本物の“計画換気”を行っています。
ご希望に応じて、床下給気方式の第3種排気型換気や、顕熱型の第1種熱交換換気にも対応可能。
どちらも快適性や熱ロスの軽減に効果がありますが、性能を発揮するためには家そのものの気密性が極めて重要です。
換気システムは決して安い設備ではありません。しかし、隙間相当面積(C値)が1.0㎠/㎡を超えてしまうと、ほとんど効果が発揮されないのが現実です。
特に、第1種熱交換換気のような高性能な設備では、C値が0.5㎠/㎡を超えると「宝の持ち腐れ」になってしまいます。
だからこそ、キクザワでは全棟で完成後に気密測定(気密試験)を実施し、確実な気密性能を確認。
報告書はお引渡しの時にお渡し、施工の証明をしっかり行っています。
快適で健やかな暮らしのために、住まいの呼吸も正しく設計します。

全室暖房
高性能住宅の基本は全室暖房。家中どこへ行っても、ほとんど温度差がありません。超高気密のため、吹抜を作っても1階の床と2階の天井の温度差は、2℃以下を保証いたします(気密性能の低い住宅の場合、約10℃もの温度差が生じます)。
最近流行のエアコン1台や薪ストーブのみでも充分に暖かいですが、どうしても部屋間の温度差が発生し、快適感が劣ります。キクザワでは、エアコン1台や薪ストーブを採用しても他の暖房方式も導入します。

耐震性
この「耐震等級3」は、建築基準法の1.5倍の耐震性能を持ち、病院や消防署などと同じレベルの強さを備えています。
構造にはツーバイフォー工法・在来工法のどちらでも対応しており、床・壁・屋根すべてに構造用合板を張り巡らせ、建物全体で地震の力を受け止める“モノコック構造”を形成しています。
合板の留め付けには100mm・200mmピッチでコモンネイルを使用し、さらに帯金物で補強することで、揺れに対する強さを高めています。
また、基礎の鉄筋や幅、土台・梁の寸法、アンカーボルトの本数なども、すべてが建築基準を上回る設計。
これにより、鉄骨系プレハブ住宅にも劣らない耐震性能を実現しています。
一見、地震とは縁遠く感じるかもしれない北海道ですが、実際には活断層が点在しており、決して無関係とは言えません。 特に記憶に新しいのが、2018年の北海道胆振東部地震です。
当時、震源に近い地域に家を建てたお客様から「家が損傷しなかった!」と感謝の声をいただきました。
『命を守る』家の本質と、これからの時代には耐震性高く、ご安心いただける家を建てることが、工務店の責務であることを実感し、これからも耐震等級3の家を標準としていきたいと思っています。


耐火性
一般的な木造住宅や鉄骨造では、壁の内側や天井裏が空間的につながっており、火が通りやすい構造になっていることも。
そのため、万が一火災が発生した場合、炎や煙が一気に家中に広がってしまうリスクがあります。
そこでキクザワでは、ツーバイフォー工法の特性を活かし、厚さ12.5mmの耐火石膏ボードを床・壁・天井に施工。
さらに、壁内や階層間には「ファイヤーストップ材」を設置し、火の通り道をブロックします。
これは“防火シャッター”のような役割を果たし、火災の拡大を防ぎ、初期消火がしやすい構造を実現しています。
さらにご希望の方には、「省令準耐火構造」へのグレードアップもご提案しています。
これは、住宅金融支援機構が定める準耐火基準に準ずる性能を持つ住宅構造で、以下の3つの性能が求められます。
①隣家からのもらい火を防ぐ「外部からの延焼防止」
②万一の火災でも一定時間、室内での燃え広がりを防ぐ「各室防火」
③万一火が他室へ漏れても燃え広がりを遅らせる「他室への延焼遅延」
この構造は、火災保険において「T構造」として認定されるため、一般的な木造住宅(H構造)よりも火災保険料が割安になります。
安全性だけでなく、ランニングコストの面でも暮らしにやさしい選択肢です。
※保険料は保険会社・構造区分により異なります。
炎の被害を最小限に。
見えないところに、家族を守る“静かな備え”を。

地材地消
キクザワでは、家づくりに使用する木材の多くを、できる限り北海道産にこだわっています。
「木を植え、育て、伐り、また植える」——
そんな循環型の森林利用を支えることが、次の世代へ美しい森をつなげる家づくりにつながると信じているからです。
構造材の屋根・床合板には津別町産の針葉樹林合板、スタッド材にも森町の杉スタッドを使用。
実は市場に出回っているツーバイフォー工法用の木材の99%が輸入材と言われています。
輸入材は含水率が19%前後と高めで、施工後に乾燥が進むことで木材が痩せ、ねじれや仕上げ材のヒビなどにつながるリスクがあります。
一方で、キクザワが使用する北海道産材は、含水率15%以下の乾燥材。寸法精度が高く、乾燥による変形や収縮が起こりにくいため、構造上の安定性が高くてメンテナンス性が良く、作り手の大工さんからも好評です。
木外壁の物件には、外壁森町の「道南杉」を採用し、さらに物件によりますが、造作カウンター等に日高産のナラ材やイタヤ・クルミ・クリ、シウリザクラ、シラカバの積層合板なども採用するなど、北海道の木を取り入れるように努めています。
北海道産材は「どこで育った木か」をしっかりと確認できる安心感もあり、「地元の木を使った家」と聞いて喜ばれるお客様も少なくありません。
輸送によるCO2排出の削減にもつながり、環境負荷の少ない住まいづくりにも貢献しています。
キクザワは、2022年より道産木材を積極的に活用することで、地域林業と木材産業を応援し、道内の環境保全と経済循環に寄与する取り組みである
HOKKAIDO WOOD HOUSE(北の木の家)の推進事業者として登録されています。
道産材を使うことは、品質や安心感だけでなく、地域と未来への小さな応援にもつながる。
キクザワは、木のチカラを信じて、これからも北海道に根ざした家を届けていきます。


耐久性
「高気密」「高断熱」「耐震」「耐火」など、キクザワが大切にしてきた住宅性能。
それら一つひとつの技術を、丁寧に、理想に近いかたちで設計・施工・管理することで、長期にわたって安心して暮らせる耐久性の高い「長期優良住宅」が実現しています。
家は、建てたあと何十年も家族と共に過ごしていく場所。
そして、その維持管理を担っていくのは、建て主ご自身です。
だからこそ、「どんな性能の家なのか」を知っておくことは、とても大切だと考えています。
車を選ぶとき、多くの人は必ずカタログを見て、「1L当たり何km走るか?」といった燃費やエンジン性能を確認するように、住宅も同じく気密性能や断熱性能といった「見えない性能」を、しっかりと数値で把握しておくべきだと私たちは考えています。
それは、私たち住宅会社にも、「性能を明確に伝える責任」があるということ。
お客様が安心して選び、末永く愛せる家をつくるために、キクザワはこれからも、性能と品質に誠実に向き合い続けます。

家づくりのノウハウはYouTubeでも詳しく解説しています。
