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断熱材の性能の違い①(繊維系)

2016年05月22日

断熱材っていろんな種類があるんですよね。
大きく分けて、繊維系と石油系(ボード系)があります。
繊維系には、グラスウール(以下GW)やロックウール(以下RW)が主に市場に出回っています。他には木質繊維や羊毛ウールというものもありますが、あまりメジャーではありません。

今回は繊維系についてコメントしたいと思います。

繊維系のGWやRWを採用するにあたってのメリットは、
①火に強い(火災によって性能が劣化しないということではありません)
②軸間に充填する場合、施工しやすい。
③解体した際、再利用ができる。
④コストが低い(施工部位によっては断熱材コストが低くても、施工コストがかかる場合もあります)
⑤経年変化による性能劣化が少ない

逆にデメリットは、
①柔らかい素材なので、変形させて施工する事ができるが、その場合性能が充分に発揮されない為、施工職人の技能や意識によって、実際の性能に極めて大きな差が出てしまう。
②ボード系の断熱材と比較すると、熱伝導率が悪いため、ボード系と同じ性能を求めるには、厚みを多く必要とする
③水に弱いため、施工中に濡れてしまうと、性能が著しく劣化する。

メリットデメリットはこんなところでしょうか。

一番メジャーなのはGWですが、同じ厚みであってもすべて同じ性能とは限りません。
グラスウールにもいろんなタイプがあり、普通の性能、高性能なタイプと様々です。
その違いは何で見分けるのか。。。「熱伝導率(以下 λ値 ラムダと読みます)」で見分けるのです。
ごく一般的に使用されているタイプですと、λ値は0.038。弊社で使用している高性能タイプですとλ値0.035となります。λ値は単位厚みあたりの性能ですから、同じ厚みであれば、小さい方が性能が良いという事になります。しかし、厚みが変わると比較できなくなりますよね。そこで断熱材の全体の性能を表現するために、「熱抵抗値(以下 R値)」という指標があります。R値は厚さ(d)をλ値で割ったものとなります。R値は数字が大きいほど性能が良いという事になります。
例を以下に挙げます。

・λ値0.038のGW
 90mmのR値は、0.09/0.038≒2.4
 140mmのR値は、0.14/0.038≒3.7
・λ値0.035のGW
 90mmのR値は、0.09/0.035≒2.6
 140mmのR値は、0.14/0.035=4.0

となります。同じ140mmを採用しても、λ値0.038と0.035では約10%の性能差が出てしまうのです。

先にも述べましたが、キクザワで使用しているのは、受注生産品であるλ値0.035の方です(当然、高価ですが。。。)
キクザワの標準仕様である壁230mm断熱は、90mm+140mmですので、R値2.6+4.0=6.6という性能となります。280mm断熱の場合は140mmが2層となるので、R値4.0+4.0=8.0です。

同じ断熱厚さでも、λ値0.038を使用すると、R値2.4+3.7=6.1となり、280mm断熱の場合は、R値3.7+3.7=7.4です。

性能差は一目瞭然ですよね。
これから住宅を検討される方、ただいま検討中の方は、必ず住宅会社の担当の方に、使用する断熱材のR値を確認して下さいね。

ちょっとめんどくさい話でしたが、重要なことです。

次回は、ボード状断熱材について書きたいと思います。

グラスウールの性能差